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カードローン百科「金銭消費貸借契約・準消費貸借契約」
カードローン比較ランキングが提供するカードローン百科。今回は「金銭消費貸借契約・準消費貸借契約」です。皆さまの参考になれば幸いです。
- カードローン百科「金銭消費貸借契約・準消費貸借契約」
- カードローンの基本的な法律としては「貸金業法」以外にも「民法」があります。今回も民法について解説したいと思います。
カードローン業者などの貸金業者が金銭を貸し出す際、借主と金銭消費貸借契約を結ぶのが通常です。金銭消費貸借契約とは、当事者の一方(借主)が同金額の金銭を返済することを約し、相手方(貸主)から金銭を借り受ける契約です。
金銭消費貸借契約は、借主が金銭を受け取ることによって契約が成立する要物契約であり、借主だけが返済の義務を負う片務契約です。
また、利息がない場合は無償契約となり、ある場合は有償契約となります。
もっとも、要物性を厳格に貫くと実務の扱いに不具合が生じることがあります。
たとえば、金銭の引渡しの前に担保権を設定した場合、このような担保権の設定行為が無効とされる可能性が生じます。
そこで、判例により、要物性が緩和されるケースが認められています。
具体的には、
1.第三者に対する金銭の交付でも借主に対する貸付契約が有効に成立する
2.公正証書は消費貸借の目的たる債権を特定して表示すれば足り、元本授受前の公正証書にも元本授受後は債務名義としての効力がある
3.抵当権の設定手続は必ずしも債務の発生以後でなければならないわけではなく、数か月経過してから元本が授受されても抵当権の効力に問題はない
というように、要物性を緩和する解釈がとられています。
また、あらかじめ消費貸借契約の予約(あとで消費貸借契約を結ぶことを約束する契約のこと)をすることは認められています。
消費貸借の予約は予約後に当事者の一方が破産手続開始決定を受けたときは効力が失われます。
このように、消費貸借契約は要物契約ですが、金銭消費貸借契約書は貸付けが行われる前に締結されることも多いため、学説上は諾成的消費貸借契約という当事者の合意だけの消費貸借契約の成立を認める立場もあります。
諾成的消費貸借によれば、借主が目的物の交付を受ける債権を第三者に譲渡することも可能になります。
消費貸借契約の返済の時期を定めていないときは、貸主は相当の期間を定めて催告をすることができ、借主はいつでも返還することができます。
返還の時期を定めているときは、期限までに返済をしなければならず、約定の時期に返済しない場合には、債務不履行に基づく損害賠償として遅延損害金を支払わなければなりません。
なお、期限には、到来することが確実であり、到来する時期が定まっている確定期限と、いつかは到来するが、到来する時期が定まっていない不確定期限があります。
確定期限か不確定期限かにより、返済の期限が異なります。
契約で利息を支払う旨の定めがあれば、借主は利息を支払わなければなりません。
具体的な利率の定めがない場合、民事取引(商行為とは扱われない一般人同士の取引)の場合は民法の定める年5%、商事取引(会社聞の取引など商行為とされる取引)の場合は商法の定める年6%となります。
借主は契約で定められた期限が到来するまでは返済の義務はありません。これを期限の利益といいます。期限の利益は放棄できますが、それによって相手方の利益を害することはできず、期限前に弁済をしたとしても、契約で定められた期限までの利息は支払わなければなりません。
また、借主は民法または契約で定められた状況となった場合、期限の利益を失うことがあります。
この場合、直ちに債務の全額の弁済をしなければなりません。
準消費貸借契約とは、消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者が、相手方との契約によってその物を消費貸借の目的とする契約です。
未回収の売買代金債権を、金銭消費貸借に切り替える場合などです。
準消費貸借契約への切り替えにより、2年の売買代金債権の消滅時効が一般の場合は10年、商行為であれば5年と延長されることになります。
<ポイント>
1.金銭消費貸借は、要物・片務契約です。
2.期限までに返済しない場合、借主は損害賠償として遅延損害金を支払わなければなりません。
3.借主は期限の利益を有し、期限前に返済する義務はありません。
4.消費貸借以外の債権を消費貸借に切り替える契約を準消費貸借といいます。
金銭の貸し借りは消費貸借契約であるため、特に重要な契約といえます。
消費貸借に付随する準消費貸借・利息といった概念についても明確に把握しておきたいものです。
参考になさってください。
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